11月に入り、年末が視野に入ってきたところで仕事がいよいよ立て込み、残業する日が多くなってきた。ここ1ヶ月ほどは実家の用事もあり、大体隔週で週末は片道2時間かかる実家に帰っている。数日前には3年程度使っていたオーブンレンジが故障。時期を同じくして同居しているパートナーは風邪をひいてしまった。そんな状況が重なったことで最近は何だか疲れている。自分は体調も崩さずすこぶる健康だしご飯も美味しいけれど、「何をしても良い」と思えるような時間がない。いや、実際の所は1日の中にも隙間のような自由時間はあるのだが、次にやるべきことを常に頭の隅で考えているような状態で、心の底からは気が休まらない。そういう時は筆もなかなか進まないもので、このテキストも隙間時間を見つけては地道に書き足している。ドラマや映画を見たり音楽をかけたりと、短い時間や、ながらで出来る受動的な気分転換が日々の救いになっている。
こういう時は、思いっきり意味のないことをしたくなる。夜中に人気のなくなった街で敢えて道路の真ん中を歩きたい。よく知らない路線に乗って終点まで行ってみたい。つまらないと評判の映画を見たい。近所にある川の下流を目指して歩いて途中で飽きて止めたりしたい。大学の芝生の広場で寝転びながら友だちとひたすら喋っていた時間が懐かしい。
そんな中、大学時代からの友人と会いNetflixのドラマ『ストレンジャー・シングス』のコンセプトカフェを訪れた。ドラマの世界観が再現されたジャンキーなメニューを堪能した後、特に行くあてもなく散歩して、最終的に新宿駅南口改札を出た所にある広場に辿り着いた。適当な場所に腰掛け、イルミネーションやSuicaのペンギンのモニュメントと記念撮影する人々を眺めながらひたすらお喋りをしていたら、5時間経っていた。カフェや居酒屋などを探して暖かい所で話すことも出来たのだが、何となく手間に感じて只々喋ることに没頭してしまっていた。結果的には、無駄に寒い思いをしながら話に集中していたその時間のお陰で、久々に芯まで癒されたような感覚を覚えた。
年末年始を目掛けて駆け抜けるような日々だし、色んな心配事はしばらく絶えそうもない。そんな生活の中でも時間を見つけては、無駄なことや意味のないことを散りばめて、自分を労いたい。
Back to Top