去年頃からじわじわと生活費が嵩んできている。生活条件は変わっていないため、昨今のモノやサービス、ライフラインの値上がりが影響しているのは確かだ。生活費を引き落とすための口座で一昨年の明細をここ1年のものと比較すると、ひと月あたりの請求額が増えているのがよく分かる。値上がりの理由は一つには絞れないが、この一年に起きたこととしてロシアとウクライナ間の戦争の影響は無視できない。生活費のためではなくても、今すぐにでも世界中にある全ての争いを止めたいけど、私にはそんな力はない。しかし、節約のために出来ることはしようと出費を見直すようになった。
まずガス代と電気代を抑えられるエネルギー会社へ乗り換えた。また、スーパーでは迷わず最安値の卵を選ぶ。以前であれば同じ値段でもう少し良い卵を買えていたのになと思う。他の食品や日用品に関しても、スーパーのプライベートブランドを選んだりして切り詰める。スキンケアでは気に入って使っていた美容液をやめて、化粧水、乳液、クリームも安いラインのものに変えた。結果肌の調子は悪くなったが、背に腹は変えられない。映画や音楽のライブにも本当は行きたいけど、日々の出費のことが過って足が遠のいてしまっている。しかも、こんな感じで細々と切り詰めても、臨時的に出費が発生することもある。今年は住んでいる賃貸の更新があったのだが、更新料を含めるといつもの家賃の倍程の金額を支払わなくてはいけなかった。「更新料ってなんなんだ?こっちが更新して今後長く住もうとしてるんだから寧ろ値下げしてもらっても良いぐらいだろう」と、同居人と散々愚痴を言った。
戦争に巻き込まれず、必要最低限のものは手に入れることが出来る。大学を卒業するまでの教育も受けさせてもらえた。家と仕事があり、毎日の食べ物や飲み物に困ることもなく、たまに外食や遠出も出来る。そんな生活が十分恵まれていると思う一方で、日々仕事を頑張っているのに良くなるどころかさらに我慢が必要になって憤りを感じているのも事実だ。モノやサービスの提供に携わった人や環境などに還元するための値上がりに対しては出来る限り支払っていきたい。でも、市民の生活への還元率が低いままに諸々の税率が上がり続け、ただ負担が増えることには違和感を覚える。今後少子高齢化が加速して税金を納める人口の割合が減ることを考えると、負担が増えることは避けられないのだろうか。
本当はスーパーの棚の中で一番高い卵を買いたい。自分が推せる人やモノやサービスに課金したい。憧れのデパコスとか使ってみたい。海外旅行にも沢山行きたいし、服も着回しなんかを無視した個性的なアイテムを買ってみたい。続くか分かんないけどジムにも登録してみたい。お金がかかることがネックになっていて諦めていることに片っ端からチャレンジしてみたい。そんな欲求がたまに湧いてくるけど、この状況がいつ変わるかは分からない。転職でも副業でも起業でもして収入を上げるのが最もシンプルな解決法かもしれないー。そんなことを悶々と考えながら、今日も最安値の卵を手に取る。