3月1日
某予約サイトを久々に開いたら、誕生日ポイントなるものが付与されていた。使わずに溜め込んでいたポイントも合わせると、結構ある。有効期限もあることだし、さて何に使おうかと考えつつ、そうだ、爪でも綺麗にしよう、と思い立つ。ネイルをするのは1年ぶりぐらいだろうか。以前から信頼しているネイリストのMさんを指名すると、久々なのにも関わらず、しっかり覚えてくれていた。相変わらず丁寧な仕事ぶりで、自分の爪が綺麗になっていくのを見て嬉しくなる。違う職種だけれど、手を抜かない姿勢、熟練度を感じる度に、自分も見習わなければな、と思わされる。爪は涼しげなブルーグレーになり、気分も良くなるのだった。

3月3日
Apple TVで配信中の「セヴェランス」を順調に追っている。S2もなかなか謎なストーリー展開で、え、これどういうこと? の連続。それにしても色彩設計が本当に美しく、特に緑の使い方に惚れ惚れする。ただその美しさが、Sci-Fi特有の薄気味悪さを更に引き上げている気もする。

3月4日
仕事後、ダンスへ。なんと雪が降っていたので、レッスン後のおしゃべりは早々に切り上げ、帰途につく。最寄り駅からの道はうっすら雪が積もりはじめていて、危うく滑って転びそうだった。寒い日はラーメンが美味いに決まっているので、帰って野菜たくさんの辛ラーメンを作る。

3月5日
夜中のうちに雪から雨に変わったのか、朝には雪のかけらも見当たらなかった。しかし、寒さは相変わらず。

3月6日
仕事終わり、職場の人に、取引先からいただいたというモロゾフのチョコレートをいくつかお裾分けしてもらった。好きなの4つくらい選んでください、と、ずいっと長方形の箱を出され、…え、よ、4つも? と言いながら区分けされた箱におさまっている宝石のようなチョコレートを、迷いながらも選んだ。持ち帰り用の容器があるわけもないのでサランラップに包んで、退勤する。
家に帰り、早速コーヒーを淹れ、4つのうち比較的何の飾り気もないチョコレートをかじると、上品な甘味が口内に広がる。思いがけず幸せな気分になった。むかしに比べて、甘いものはどんどん好きになっていると思う。

3月7日
朝起きると、とてつもなく目が痒い。特に気にせず洗濯や掃除などをしていたら、今度はくしゃみが止まらなくなる。どうやら初めて重度の花粉症になってしまったかもしれない。目の痒みがこんなに辛いなんて。

3月10日
依然として目の痒みは続く。ついでにくしゃみ、鼻水も悪化。気づくと目を擦ってしまっていて、このままでは絶対に良くない…と思い、薬局で目薬を購入。目薬を買ったのなんて、いつぶりだろう。突然、遠い日の記憶が掘り起こされる。小学生のころ、嫌々通っていたスイミングスクールの帰りに、目薬をさしていたのをなぜか思い出したのだった。塩素の匂い、湿り気のある空間、木霊する子供たちの声、古びたロッカールーム…ぬめりを帯びた濃い緑の床マット。ぬるぬるした感覚が嫌で、つま先で歩いていたっけ。
午後は街をぶらぶら。久しぶりにドーナツ屋に入り、チョコリングとコーヒー。

3月15日
休日。泥のように寝る。花粉症のせいなのか、相変わらずくしゃみはひどいし、かと言って薬を飲むのも億劫(酒を飲みたい)なので、ひたすら横になり、だらだら。なんだか天気も悪いし、芋虫のように過ごす。

3月16日
一日中雨。窓を開けるとひんやりとした空気が部屋を通り抜けていく。雨だからか、今日はアレルギー症状があまり出ていない。それだけでだいぶ気分が良いので、積極的に動きたくなる。雨の日の散歩がてら、商店街で食材を買う。夕飯はロモ・サルタード、パクチーライムライス。

3月17日
Netflixで映画「イングロリアス・バスターズ」を流し見していたら、無性にアプフェルシュトルーデルを食べたくなり、日本橋三越にある「カフェ・ウィーン」へ。三越自体訪れたことがなかったのだが、アパレルブランドが並ぶフロアの奥に、こんなに素敵なお店があるとは。店内は、高級感はあるのにどこか素朴で古風。ちゃんとウィーンを感じた(ウィーン行ったことないのに)。そして店名のとおり、オーストリア料理を忠実に再現しているとのことで、目当てのシュトルーデルはたいへん美味だった。シュトルーデルを食べられるお店として検索し、わりとアクセスもしやすかった理由でここにしたのだが、思いがけず良いお店を見つけられて嬉しい。
ところで、「イングロリアス・バスターズ」を一度でも観た方は、あのアプフェルシュトルーデルが絶対に気になってしまうのではないだろうか。粉糖がかかったタルトに、たっぷりの生クリームが添えられる。そこで繰り広げられる、恐怖の会話。あの映画を初めて見たのは恐らく10年以上前だが、実はその頃からずっと、シュトルーデル食べてみたいな〜と思っていたのだった。食べてみたいなと思いつつは忘れ、の連続だったので、今日は10年越しの夢が叶ったといえる。

3月19日
稲妻走る雨模様の朝。駅まで歩いていたら雨がだんだん氷のかたまりになり、ついには雪に。重めの雪がぽすぽすと傘に当たる音がする。3月後半なのに雪だなんて。暖房の効いた職場について、ほっとする。しかし午後にはすっかり晴れて、春の気候に戻っていた。今朝の雪がまるで夢のよう。天気に振り回される今日この頃。

3月21日
変な体勢で寝てしまったのか、首を寝違えた。首から肩甲骨にかけて、もやもやうずうずして気持ち悪い。そもそも最近デスクワークが多くなっていて、肩こりがつらいな…と思いながらも、週一で運動しているし良いかと、特にストレッチもせず放置していたのだった。これを機に家でのトレーニングを再開すべきか。

3月22日
暖かい気候が気持ちよく、街に出てみるものの人が多く、少しげんなりする。う〜ん、帰るか…というところでタイミング良くOの中野さんから連絡。一緒に銀座のギャラリーの展示を見に行くことになった。春の銀ブラ、ちょっと海外を歩いている気分になった。展示を楽しんだ後はイタリアンの立ち飲みバールに行き、美味しいつまみとワイン。とても良い気分で酔っ払う。しかもそこから、つい(?)銀座ライオンに寄り道してしまい、ビールを一杯。夜も春の匂いが充満していて、帰り道に通る川沿いの桜並木は、今にも開花しそうだった。

3月23日
他ごとをしていたらブロッコリーを茹ですぎてしまい、少し触っただけで崩れ落ちるぐらいの柔らかさになってしまった。お弁当に使おうと思っていたのに、大失敗。どうしようかな〜と思いつつ、ペーストのようになったブロッコリーでペペロンチーノを作ったらとても美味しい。そもそも私はくたくたのブロッコリーがわりと好きなのだった。結果オーライか。

3月24日
寝違えて体がガチガチになったことをきっかけに、朝から柔軟、ストレッチ、筋トレを開始したのだが、とにかくかたい。自分の体から軋み音が出ているかのようだった。当たり前だが、筋力が落ちれば自分の体を自分で支えられなくなる。姿勢が悪くなり、また首や肩を痛めかねない。せっかく腕や足がちゃんと付いているのなら、いつまでも自由に動いていたい。そんな欲と希望のために、今いちど食生活などを見直し、引き締めるぞ!と勝手に決意する。

3月25日
外から鶯の鳴き声。この声を聞くと、いよいよ春を実感する。鶯の声って、なぜあんなに響くのだろう。奴だけ他の鳥と音響設定が違う気がする。喉が他の鳥よりパワフルなのだろうか? とあさってなことを考えてしまう私の脳も春である。

3月26日
花粉症から、どうやら副鼻腔炎を発症したのか、さらに悪化。観念して薬を買った。やはり断然ラク。酒はしばらく飲めないことになるが、この際仕方ない。
仕事からの帰り道、桜が咲き始めているのに気づく。黒い幹に薄ピンクの花は、やはり目立つ。桜って、派手だよなあ。

3月31日
急に冬に逆戻りしたかのような気温。冷たい風が吹くなか、ポン・ジュノ監督作品「ミッキー17」を観に行く。どのキャストも演技が素晴らしかった。ロバート・パティンソンの人格の使い分けはもちろんなのだが、特にマーク・ラファロのアホ政治家っぷり(これに関しては完全にどこかの大統領に寄せていた)には声を殺してヒイヒイ爆笑してしまった。マーク・ラファロ、もはやアドリブで演技していたのではないかと思うぐらい、ギャグセンスが最高潮に達していた。妻役のトニ・コレットもそれに乗っかって(影響されて?)アホなファーストレディを楽しそうに演じていた。移住先の惑星の先住民である生命体にはナウシカの王蟲を連想したが、知性をもって人間と接し、最後にはとても愛らしいキャラクターとして見ることができた。映画館でこんなに笑ったのは初めてかもしれない。Sci-fiダークコメディという、今まで触れてこなかったジャンルにハマりそう。あと、今回は画面よりも音響を重視した方が良さそうとのことで、IMAXではなくドルビーアトモスで鑑賞したのだが、その選択も良かったと思う。


  
Back to Top