20250501 鼻セレブ
午後の飛行機で札幌へ。朝昼食べ損ねていたので機内で大船軒のサンドイッチ。見下ろす北の大地はまだ灰茶色の森に覆われている。
Untapped Hostelにチェックインして荷物を置き、街に出て知人と1年ぶりの飲み。そのあとひとりでKUMADEへ。鼻をかんでばかりいる私に店主ツヨシさんがお店に置いてある鼻セレブの箱ティッシュを持って行きなと言ってくれるが固辞して、タクシーで帰宿。
20250502 不穏
バスで洞爺へ。乗る前から、なんだか体調が良くないなあという感じ。思えばここで何か薬を買うとか、もっと言えば東京に居るうちにもう一度病院に行けばよかったのだろうが、あとの祭り。セコマでおにぎりとお茶、鼻セレブのポケットティッシュを買い、体力回復を念じてバスでひたすら寝る。
洞爺に着いて、今日から2泊させてもらうラムヤートを訪ねて数時間仮眠させてもらう。夜はチャシバクのルナさんとリクくんがやって来て夕食会。鹿肉のローストやアミガサタケのチーズ焼きなど魅力的なものが並ぶが、明日のライヴと体調を鑑みてお酒はちょっとだけ。外は暴風雨。
20250503 後悔はない
体調は昨日よりも良い気がするが寒い。ライヴはしまりすやからスタート、続いてチャシバクドーナツへ。ルナさんが体調を気遣って、梅干おにぎりとほうじ茶を出してくれた。このころからすでに声は出にくくなっていたのだ。続いてcokyuuへ。歌い始めたが、高い声がかなり出なくなっている。出にくい、というより、その高さの声が消えてしまっている感じで、少しぞっとする。これは無理だと判断し3曲だけにして、高い部分は低くメロディを変えながら歌った。toitaの知子さんや屋久島から旅行に来たというお客様に聴いてもらったけれど、申し訳ない気持ち。そして最後のラムヤートの時点ではもう、話すのも難しくなっていた。でも歌いたかった。今年の春の歌とガーネットの2曲だけ、必死でうたう。
後から、もしこのとき、今歌ったら声が出なくなるよ、と言われたら私はどうしただろう?と何度も考えた。答えは変わらなかった。そう言われてもやっぱり私は歌っただろう。
20250504 無言
朝、洞爺を発ってバスで札幌へ。声はほとんど出ない。歌うとかいうレベルではなく発声自体できず、囁き声でしか話せない。しかし今夜はSeesaw Booksでのライヴ。オーナー神さんに取り急ぎ状況を伝え、なんとかならないだろうかとボーカリストのあやこちゃんにメールで相談してアドバイスをもらい、札幌へ着いてすぐさま耳鼻科へ駆け込んだ。診察室に入るといきなり鼻をプシュプシュされたかと思うと内視鏡を突っ込まれ、心の準備ができておらず慄く。事前に診察に求めることについて、今夜ライヴでなんとか歌えるようにしてほしいと書いていたのだが、先生の説明を聞き、自分の状態を冷静に見る限り、今夜はどうにも無理そうだった。すぐ治るものではないですから…完治には1か月くらいかかるかも、とも宣言され、中止することに決める。
来てくれるはずの知人に連絡して、SNSで告知。Untappedで神さんに会って謝罪。また来年やりましょうと言ってもらうが、悔しくて申し訳ない。
夜、ライヴも打ち上げも無くなって、誰とも会ってご飯もできない、お酒も飲めない、何の意味もない体でひとり街に出て、ラーメンを食べ、ドラッグストアでマスクとのど飴を買い、宿に戻ってアイスを食べて寝た。
20250505 声と言葉
声を失って気づくのは、いかに普段、声と言葉を頼りに生きているかということだ。今日は本当は友人とランチの予定だったけれど、話せないのでもちろんキャンセル。空いてしまった時間をどうしようかとしばしぼんやりし、結局お土産を物色し、服屋やコーヒー屋に行くくらいしか思いつかず。しかしどこでも店員さんとの多少の会話は必要なのだった。
夕方、函館の実家へ移動。母にも声が出ないという状況は伝えたものの、向かい合ってごはんを食べたりするときはもちろん、言葉の介在がなくやりとりするのは無理だ。試しにスマホで読み上げソフトを使ってみたが、もちろんスムーズにいくわけがなく。母にも気を遣わせて申し訳ない気がする。
夜になって、痙攣するような咳が出始める。咳止めの薬は貰っていないので耐えるしかなく、まいった。
20250506 落ち込んでいるのかもしれない
喉はあまり変化がみられない。とくにすることもないので、お使いも兼ねて実家近くのショッピングモールへ。ブックオフでぶらぶらし、2冊本を買う。スーパーで頼まれたヨーグルトやら玉ねぎやらをカゴにいれ、いつもならここで自分用のお土産や、夕飯に食べたいお刺身やお酒も買うところだけれど、まったくそんな気になれない。第一、土産を買ったとていつ友達に会えるのか、いつお酒を飲めるようになるのか、現時点でわからないのだ。昨日、落ち込んでいることを友達に心配されて大丈夫だと答えたけれど、やっぱり落ち込んでいるのかもしれない。夜になるとやはり咳がつらい。
20250507 発作
朝、おはようと言うと「少し声、出るようになったね」と言われる。相変わらずかすれ声だが、なんとか今日は読み上げソフトを使わずに母とやりとりをした。
午後、バスで空港へ。乗るバスを微妙に間違え、結局シャトルバスでなく路線バスで空港へ向かうことになったが、いつもは通らない団地の中を通って新鮮だった。
一週間ぶりの自宅。早々にパジャマに着替えて寝ようとしたが、発作のように咳が止まらなくなり、眠れない。たまらず起きてのど飴やトローチをなめたり、お茶を飲んだりして耐える。どのくらいの時間苦しんだかわからないが、明るくなる前にはなんとか落ち着いて少し眠れたと思う。
20250508 糸
昼前に病院へ。症状を説明して、追加の薬を処方してもらう。諸々一週間くらいで落ち着くような見立てらしいので、少しだけ希望が見えたような。午後はNanaさんとライヴのリハの予定だったけれど、まだ出来る状態ではないのでキャンセルさせてもらう。
声を壊してから、来週末と再来週末のライヴについてどうしたらいいのか悩んできた。声が出なかったらもちろんできないわけだけれど、中止や延期することになれば自分の事情だけでなく、会場、共演者、関係者、お客様、手配した交通機関のキャンセルなど様々な連絡が必要となる。こんな拙いツアーだけれど、いろんな糸がつながって私はいまここにいるのだった。
20250509 投げパン
出向いてお仕事。まだ声はおかしいが、仕事先の人と少し喋るくらいはできるようになっている。帰り道、ノンアルコールビールを買う。これまで何種類か試しているが、「龍馬1865」というやつが結構好みかも。
夕飯はフライパンでベーコンとキャベツと卵とトマトを焼いたやつ、ラムヤートの玄米食パン、そしてノンアルビール。食べるたび、ああ美味しいなあ、と思うラムヤートのパンは、投げ銭ならぬ“投げパン”として貰ったもの。これを作っている人、並べて売っている人を私は知っている。そのぬくもりを一緒に噛みしめている。
ずっと気になっていたコートの破れをようやく繕った。
20250510 1缶
ずっしりとした仕事を受け取る。これから月末まではこの仕事とライヴの両立が課題。
禁酒して1週間が経過。毎日ノンアルコールビールを1缶消費している。ノンアルってあまりたくさん飲めなくて、1缶で充分な感じだ。
20250511 気候の記憶
昨日は外に出ずに終わってしまったので、今日は夕方少し外へ。道行く人は半袖の人も多い。上着を羽織って出たが暑い。先日の北海道の気候の記憶を引きずっているのかもしれない。
まだ喉には痰が張り付いている感じがするけれど、体調はだいぶ落ち着いてきて、薬も飲み切った。普段ならもう放置するくらいだが、先日の反省もあるので迷うところ。
20250512 飲みもの
久しぶりの接骨院。普段に比べて机の前に座っている時間が少なかったからか、骨の状態はわりと良いらしい。風邪をこじらせていたという話をすると、先生も先週風邪をひいていたという。R-1ヨーグルトを飲むとよく眠れて、ヤクルトは飲んだら悪夢にうなされたらしい。怖い。
まだ痰がとれない。
20250513 カーテン越し
普段は、夜はお酒を飲みたいのでぎりぎり遅くまで仕事してから晩酌をしているが、今は禁酒しているので、ある程度の時間になったら夕飯を済ませ、そのあとでもう少し仕事をしている。生活リズム的にはこちらの方がいいかもしれないが、お酒で一日を締めくくれないのはやはりすっきりしない。
夜、電気を消して布団に入ると、カーテン越しにぼんやりと月の光。
20250514 大丈夫じゃないかも
明日はリハなので、声を枯らして以来、初めて歌ってみた。そろそろ大丈夫だろうと思っていたが、まだ痰がからんで声がうまく出ず、ちょっとショック。今週末、なんとかなるのだろうか・・・。
20250515 秘薬
Nana宅でリハと諸々準備。まだ喉が本調子でない私に、Nanaさんが知り合いに薦められたという、喉に効く台湾の秘薬をくれた。せっかくだしいま試してみましょうということになり、人間用ちゅ~るのようなそれを舐めて、歌ってみると…え、出る! といっても、魔法のように喉が完治するとかではなく、あくまで現状の身体の状態でブースト、という感じだけれど、明らかに声が太く出るようになって驚いた。
今朝、再び病院に行って薬を出してもらい、週末までには間に合うと思うと言われたけれど、ダメそうなら秘薬を使わせてもらおう。
20250516 一週間
一週間が早すぎやしないか。もう週末だ。
喉はだいぶましにはなって、声も出るようになってきた。しかしまだ痰はしぶとく残っている。
20250517 春になりたい
鈍行に揺られて3時間超、黒磯へ。あいにくの雨だけれど、窓から見る緑や水田が瑞々しい。電車の遅延で到着がぎりぎりになってしまったが、毎回ほれぼれするほど感じの良いSHOZOのスタッフさん達が迎えてくれて、いつものようにカフェの片隅で歌う。
歌った席でそのままお茶して、さてお土産を買って帰ろうとショップで選んでいると、オーナーのショウゾウさんが声をかけてくれた。ここ数年会えていなかったので久しぶり。そしてまだ雨が降っているのを見て、車で駅まで送るよ~と言う。そんなそんなといったん遠慮するが、結局お言葉に甘えることに。駐車場まで歩く途中にあった珈琲の焙煎所を開けて見学させてくれたり、自ら焙煎したコーヒーを分けてくれたり、道中もお話しして、嬉しくて胸がいっぱいになった。
お土産に貰った珈琲の香りとともに鈍行に揺られて帰る。この春も各地の素晴らしい場所を、人を訪ねることができて、私はなんて幸運なのだろう。いつも貰ってばかりな気がしてしまうけれど、少しは私が訪れることを楽しみにしてくれていたらいいな、と願う。
私は、春になりたい。
20250518 半月ぶりに
leteでのライヴ。実はまだ声は本調子ではなかったけれど、貰った台湾秘薬を舐めて乗り切った。
終わってNanaさんと2人でプチ打ち上げ。反省点はお互いありつつ、佐渡も頑張ろうね!と乾杯。半月ぶりにビールを少し飲んだ。
20250519 二度寝
二度寝してはっと起きるともう12時近くで一瞬混乱。疲れていたのだろうか。
午後は窓を開けて仕事。ウグイスの鳴き声がしばらく聞こえていた。ホーホケキョとうまく歌えるようになって嬉しそうな感じで。
20250520 チーズ
佐渡へのお土産を買い出しに。昼前からすでに夏のような陽気。30度を超えているらしい。子供へは本、大人へはちょっといいチーズを買っていくのが最近の常で、チーズは癖のあるタイプがいいということで、チーズ専門店でシェーブルチーズを。試食させてくれたやつがなかなか良くてそれに決め、それともう一つセミハードの試食させてくれたやつも美味しくて小さいピースがあったのでまんまと買う。
20250521 慎重
Nanaさんと最終リハ。暑すぎてなんだかぐったり。先に郵送するものを持参したせいもあり荷物が多かったので、行き帰りは無理せずバスとタクシーを使う。ようやく戻ってきた体調をいま崩すわけにはいかないのだ。
20250522 カレイ
新幹線で新潟へ、そしてフェリーで佐渡へ渡る。最後まで上着をどうするか迷っていたが、薄いコートで間に合わせることにした。新潟駅に着いた時点ですでにかなり涼しい。
レンタカーをピックアップし、お世話になる三島家へ。長女ほのかちゃんと三島くんと4人で佐渡おけさの練習をしたあと、夜はみんなで食事会。奥様のあすかさんが作ってくれたカレイの煮つけや、道中のAコープで買っていった佐渡サーモンの刺身が美味しかった。「カレイ」のイントネーションが違うことをNanaさんに指摘される。北海道弁なのかな。
20250523 オリジヌ
昼間は昨年に続き、三島くんに2人のアーティスト写真を撮ってもらった。夕方に小木に移動して明日の会場に機材の搬入、近くのゲストハウスにチェックインしてから温泉にさっと入りに行く。そして楽しみにしていたレストラン、オリジヌで夕食。今回はこのために小木に泊まったようなものなのだ。佐渡の食材を使ったお任せのコース料理が素晴らしく、Nanaさんと2人で終始感動。合わせてくれたお酒がまた素晴らしく合っていた。オーナーさんともいろいろお話しして大満足の夜。
20250524 サプライズ
朝、オリジヌで朝食、感動再び。昼間は民俗博物館に行ったり街を少し歩いたりして、夕方に会場の末広堂入り。機材のセッティングでなんだかんだ時間ギリギリだった。
まだ妙に喉が渇く感じはあるけれど、ようやく声もほぼ出るようになった。最後の2曲のあたりで、なんだかNanaさんのMCが不自然な気がしていたら、最後の曲の後で電気が消えて、ハッピーバースデーの歌とともにロウソクがついたたくさんのカップケーキとプレゼントが運ばれてきた。ケーキは三島家の次女てるちゃんのお手製。Nanaさんと三島家と会場の皆さんでサプライズを用意してくれていたのだった。誕生日に歌えることに加えて、こんな幸せなことがあっていいのかと思う。
20250525 春の終わり
今春のツアーのラスト、しめばり山荘へ。オーナーの柳平さんと再会の握手。昨日に続いて三島くんの変名「カーリーヘアM」がopening actをしてくれ、ほのかちゃんと私たちが加わって佐渡おけさを披露したあと、Nanaさんと私のステージ。やっぱりまだ喉がベストなコンディションではなく、例の秘薬をNanaさんが分けてくれて、2人でそれを投入してから歌う。途中で何度か「これが今春の最後なのだ」と思った。
終わって、温泉に寄って、三島家で打ち上げ。カニを大量に買ってきてくれて、地酒を飲みながらみんなでたらふく食べた。
20250526 これにて
荷造りして三島家を後に。映画の舞台にもなった清水寺やトキのテラスを案内してもらって、三島くんと別れる。
蕎麦 茂左衛門でお昼。一昨日オリジヌさんにもおすすめされた蕎麦屋で、これがまたえらく美味しかった。今回はいつにもまして食に恵まれていたねえとNanaさんとしみじみ。
順調にレンタカーも返却し、港で酒やお土産を買い込んでフェリーに乗り込む。新幹線では最終日の録音を聴きながら反省会をし、東京駅で解散。これにて今年の桜ツアー終了。
20250527 疲労
溜まった仕事をこなさなくてはいけない。が、さすがに疲れが残っていて、なかなか進まなかった。明日は頑張ろう・・・。
20250528 晩酌復活
粛々とお仕事。夜はワインで晩酌。今月はずっと家では禁酒していたので、家飲みができるのは久しぶり。適当にあるものでのんびり晩酌できる楽しさよ。
20250529 洗濯日
仕事の合間にコインランドリー。溜まった洗濯物をごっそり洗う。
20250530 山ほど
ようやく仕事の目途が立ち、明日は久しぶりに戸島(R)と会うことにした。電話もメールもしばらくしていなかったので、話題が山ほどある。
20250531 服の賞味期限
戸島(R)が久しぶりに家にやってきた。誕生祝いに素敵なカップをもらう。私は各地のお土産をまとめて進呈。喉が回復して躊躇なく人と話せることのありがたみを嚙みしめる。
ここ数日若干涼しく、着る服に迷っている。久しぶりに引っ張り出した昔の服を着てみたらなんだかしっくり来なくて、別にいいかと思ったけれどやっぱり居心地が悪くて、結局来客前に着替え。昔どんなに気に入っていたとしても、服に賞味期限ってあるな。